Waater | みんなのリミッターを外して一つになる

ロックは我々の世代が望むものなら何にでもなれるということを証明するバンド。
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アキヤ、シオン、タイキ、タイセイ、クドの5人でバンド「Waater」を結成。写真 Luna Woelle(@wo11.e)。 

Waater (@_waater_)は秋田出身の5人の少年からなるバンドで、幼い頃からの友情に加え、自分たちの世界観を表現する方法をロックに見出したことで団結している。このバンドは、ロックに自分たちの世界観を表現する方法を見出したという点で、結束が固い。彼らは、ロックがすでにあるものである必要はなく、ロックは常に自分の好きなことをするための方法であると理解していたのです。

秋山ユウヤ(Vo)、細部シオン(Gt)、矢野タイキ(Ds)、渡辺タイセイ(Bs)、工藤タカシ(Key)は20代で、ギター音楽よりもエレクトロニクスやヒップホップに傾倒した世代であったが、その中で、「ロックは、常に好きなことをやるものだ」と考えていた。現在でも、特に彼らより前の世代にとっては、これは排他的で固定化されたカテゴリーを含んでいる。自分が何者であるか、パーティや服装、感じ方を混ぜない方がいい。

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東京・Forestlimitで行われたWaaterのライブ。写真 Noa

Waaterは、彼らが影響を受けたもの、彼らがオーガナイズするパーティやレイヴのラインナップ、そして音楽を取り巻く美意識の捉え方によって、その逆を表現しています。彼らはレッテルを拒否する。なぜならレッテルは制限するものであり、バンドとしての彼らは音楽以上の存在だからだ。もちろん、彼らは自分たちの活動をジャンルやサブジャンルという観点から説明するつもりはない。あなたにできることは、彼らの2枚のアルバム、「Escapes」(2019年)と「Frozen」(2020年)に飛び込むことだ。 また、彼らのファーストEP「Waater」(2018年)と最新シングル「Liar / Naked Love」もチェックすべきだろう。彼らは自分たちの曲の、いくつかのビデオも作っている。

Waaterの最新EP「Liar / Naked Love」(2020年)収録曲「Naked Love」ビデオ

強さと懐かしさ、勢いがあるけど絶望感。憂鬱と思索。私たちは皆、ここで何をしているのだろうと思いながら、私たちが皆一緒にいる世界への願望を抱いています。Waaterは、自分たちの世代の感情を理解し、それを捉えながら、それに挑戦している。これほどロックなものはない。

自分たちのことをよく理解している彼らに、こんな質問を投げかけてみた。

Chorareii: 死んだと思っていたアンダーグラウンドの音楽シーンを復活させるために、2017年にWaaterを結成されたそうですね。2021年、パンデミック真っ只中の今、シーンはどうなっていると思いますか?良くなったのか、悪くなったのか、変化したのか?

Waater: まず2018年当時世界的にインディーロックのバンドシーンは死んでいましたがその中でもWaaterはビジュアルやアートワーク、現場の捉え方など目指す場所が全く違ったのでとても孤独な存在でした。

ですからロックという形で全く新しい自分たちのシーンを作る必要がありました。勢いのある若者はクラブシーンやヒップホップ周りにいたのでそこから流入させて自分たちのシーンの拡張をおこなってきましたが今現在。

様々な日本の音楽シーンの本質を見ると3年前から変わっておらず海外の後追いのシーンはどれもあまり面白くないと思います。別に今はそれをどうにかしたいとは思いません。今は世界に向けて様々な発信方法がありますし、自分たちを信じることが1番大切だと思っています。

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秋山ユウヤ(アキヤ)は、ソロプロジェクトとしてWaaterをスタートさせた。写真 Noa

メンバー全員が秋田出身ですが、Waaterは東京で結成されたバンドです。この全く異なる2つの環境は、バンドにどのような影響を与えているのでしょうか?

シオン: 私たちが10代を秋田の雪景色や田園風景の中で過ごしてきたことは私たちの音楽の捉え方やメロディ、サウンドに対する郷愁の部分に大きな影響を与えました。我々の生きる地球の美しさや宇宙の神秘をアートにすることは昔から私たちの大事なテーマです。

秋田にはライブハウスやクラブがありません。東京で活動することで人との繋がりや音楽がもたらす共感性を感じることができました。それは文化という点で大きな意味があります。

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Speed collective主催のレイヴPure2000に出演したWaater。写真 Noa

小林さんのパーティーや小林さんが出演されるパーティーでは、通常、非常に多様なジャンルのプロジェクトがラインナップされていますよね。Speed collectiveから主催した「Pure2000」レイヴもそうでしたね。他のスタイルの音楽と親しくなることは、バンドとして何をもたらすのでしょうか?

Waater: SpeedやWaaterのメンバーは聞く音楽をジャンルで選びません。ロック以外のアーティストからも日々影響を受けて今のWaaterになっています。だから様々なジャンルのアーティストと一緒にプレイできることは嬉しいことだし刺激になります。そのようなイベントが増えることで特定のジャンルやアーティストを見に来たリスナーが豊かになればいいなと思います。

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Pure2000で行われたWaaterのライブのセットリスト。写真 Noa.

他の音楽ジャンルのプロジェクトとの親密さを考えると、他のジャンルを開拓したり、今のような音楽とミックスしてみようと思ったことはありますか?

アキヤ: 面白いと思う音楽はジャンル、新旧問わずに聴いています。そういう習慣は自分の作曲において大きな影響を与えていると思います。しかしながら、昔から私の1番の身近にあり、自分らしいと思える音楽はロックでした。

ロックの美学は軸にして他のカルチャーの尊敬できる考え方だったり、表現方法などに影響を受けた上で活動しているので、音楽だけではなくWaaterはあらゆる面で、ロックバンドだけでは括れない面白さが出せていると思います。これからもその姿勢は変えないつもりです。

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Waaterは音楽だけでなく、ファッションでも彼らのビジョンを表現しています。写真 Noa

Waaterの音楽はエネルギッシュで、コンサートではモッシュピットができることもよくありますね。しかし、Waaterの曲は哀愁を漂わせるものでもあります。私もモッシュピットに飛び入り参加し、深い感情を揺さぶられたことがあります。私たちの世代、Zやミレニアル世代は、外では踊り、内では泣いているようなものだと思いませんか?そんな風に感じますか? 

Waater: みんながどうかは分かりませんが、私たちはそう思います。私たちはWaaterを始める前よく様々なライブを見に行っていました。それは全てのリミッターを外して日常から離れる行為でした。私たちは日常で憂鬱を感じているし未来を悟っています。様々なライブの楽しみ方がありますが、今私たちができるのはみんなのリミッターを外して一つになるライブだと思っています。

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Waaterのモッシュピットにて。写真 Noa

Waaterにとってファッションは欠かせない存在です。Fashionsnapのようなファッションアウトレットに出演したり、コラボレーションしたり、あなたは多くの人にスタイルのインスピレーションを与えています。バンドの美学を定義するものは何ですか? 

Waater: 意識しているのは5人で並んだ時のバランスやキャラクター感です。それぞれがロックという範囲の中で日本らしさを意識しながら今1番かっこいいと思う服を着ています。

多くのバンドがライブ会場で自前のグッズを販売していますが、あなたは普段、古着を販売していますね。これはWaaterのフィロソフィーにどう合致するのでしょうか?

Waater: 単純に自分たちに置き換えたら買わないしWaaterを見にくるみんなもそうだと思っています。過去にも作ったことがありますし、これなら普段から着たいと思える納得のいくものがまた出来たら販売すると思います。会場で服を売るということを自分たちの世界観を見せる一部とするなら自分たちの選んだ古着を安く売るのが一番だと思っています。

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2020年初頭からのWaater商品化。写真 Shuohan Yuan(@oshitori_ball)

What’s In My Head」のPVでは、360°の技術を使用されていますね。あなたのバンドとテクノロジーやデジタルの可能性との関係はいかがですか? 

シオン: 楽曲制作に関して言うと僕たちの楽曲は全て家で録音しているのでテクノロジーの恩恵を受けていると言えます。テクノロジーの進化による時代の空気感を常にキャッチして自分たちなりに答えを出すことは制作においても大事な部分です。

あと、あのビデオに関しては僕たちは新しいものが好きなので、できるんだったら試してみたいっていう気持ちで自分たちで作りました。これからもそうだと思います。

最近、最も影響を受けているアーティストやバンドは?2021年の今、一番聴いているのは? 

シオン: 宮沢賢治です。彼の絵や文章からは東北の時間の流れや豊かな自然が独特な陰鬱さと共に鮮明に伝わってきます。

今年のリリースでよく聴いたのはRSC – “RSD”  あとは2003年のアルバムでSweet Trip – “Velocity: Design: Comfort.”

今、取り組んでいることは何ですか?

Waater: 春に出る新しいシングルの制作やビデオの構想を練っています。

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。*:☆(・ω・人・ω・)。:゜☆。

編集後記:日本語が不自由なため、 もし間違 いを見つけたり、文章を改善したい場合は、 hello@chorareii.com までご連絡ください。

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